義務教育にIT教育は要らない 2005/04/10
私は現在スケジュール管理をデジタル機器で行っているが、アナログだったころより、脳を使って覚えていないのは実感するようになった。ただ物忘れが激しくなったというより、あえてスケジュールの記憶に脳を使わないようにしているのだと思う。今まで脳がやっていた作業をITによって軽減させ、他の方に使おうとしていると言えばいい。ただこういうことを若いうちからやっていいかというと疑問に持つ。
キーボード操作を考えると、「鳳凰」という文字も「法王」という文字も、指操作では同じ指の動きになってしまう。いずれも脳からすればその文字を描く作業はキーボードという位置関係でしかない。これが手だと鳳凰という文字の字画の多さを体感して描くことになる。
脳生理学的には、脳内の活動が外に目に見える形で表されるのは自分の筋肉の動きでしかないと言う。そう言われれば確かにそうなのだ。
鳳凰と法王を手で書き、両者の違いを筋肉の動きを頭に刷り込まる、そういう訓練を経ないでキーボードの位置関係で物事を表象することに早くから慣れると脳を鍛えない。
パソコンを小学校や中学校に導入して初等教育から取り入れようという動きがすでに始まっているというが果たしてこんなもん必要か、さらには百害あって一利なしではないかとすら考えている。
IT業界の一員としては「これからは教育もIT化を」などと煽っていれば儲かるかも知れないが、15歳ぐらいまではパソコンなどなく、鉛筆とノートだけでいるべきだと思う。コミュニティも教室で囲まれた30人で十分だし、インターネットなんて世界を知る必要もない。
当たり前のことだが、パソコンはツールにしか過ぎない。ITが人間を上等になどしない。紙とエンピツを与えて作文を書けない子供にパソコンを与えても作文は書けやしない。感性や人間の本来の力はパソコンで触発されるものでも上昇するものでもない。ITなんて義務教育どころか二十歳からでいいのではないかさえと思う。
written by 株式会社ソーソー代表取締役 下野友哉