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妙な感じ 2007/04/16

 会社でWeb求人広告を検討し始めると妙な感じを受ける。

 言うまでもなくWeb媒体は紙媒体よりも多くの情報を求人各社が載せることができる。多くの情報掲載が可能なWebで求人を効果的にするセオリーは、おおむね以下のように決まっているようである。

1.上下関係は風通しのいいことをアピール
2.社内の仲がいいことをアピール
3.仕事がやりがいがあって楽しいことをアピール

 そんなセオリーでできあがる求人広告は以下のような感じである。

 清潔感ある若手の社員が登場して、私の会社を紹介します、みたいに出てくる。
「上司には言いたいことを言えるのがいいですね」
とコメントを付記した微笑む上司の写真。
「会話から新しいビジネスが生まれることも」
と社員どうしで楽しげに話す写真。
「自分の思っていることがすぐ形になるからやりがいがある」
とデスクに向かう社員の写真。
こんな空気の広告が求人サイトでは延々と続く。

 昨今の求人サイトは写真だけでなく映像も載せることができるので、楽しさアピールのオンパレードである。社員が隠し芸をやる映像すらあるようだ。 それらに流れているキーワードは、平等、楽しい、やりがい、のように思う。

 どれも間違いではなく会社の理想形としてそうでしょ、と言われれば、おっしゃるとおりなんだが、この求人広告に広がる空気に違和感を感じ、背中にムズ痒さを感じる。
このムズ痒さはなんだろうと思って似た感じを思い出したのが、大学のサークルの新入生勧誘である。
 サークルは営利組織ではないのでこのノリでいいのだろうが、会社は営利組織である以上、平等なわけはなくトップダウンで物事が遂行されるのが基本であり、仲のいい友達ノリでビジネスが生まれることもなく、やりがいのある仕事ばかりが与えられるわけではない。
 上記のような、平等、楽しい、やりがい、が満ち溢れた会社が存在し、日常的にもそうであるなら、なんだが大昔の共産主義のプロバガンダのようで気味が悪い。

 もちろん仕事をやっていて、平等、仲のよさ、やりがいの要素も当然あるのだが、それはビジネスというシビアの世界で「結果」として出てくるものであり、これらが「目的」になるような会社のアピールは奇妙だ。

 昔の求人広告は、新聞やチラシの広告欄に掲載する「求む!営業スタッフ 月給20万より」の1行だけだった。

 そこに、厳しさも楽しさも想像しただろうし、お互いがお互いの真偽を見抜こうとしていた。

 そのシンプルさが実はいいのではないかと思う今日このごろ。


written by 株式会社ソーソー代表取締役 下野友哉